先日、郵便貯金の事で、昔から色々お願いしていた担当の方と会う機会があり、少し世間話をした。その時、その方から思い出したように言われた言葉が、
「そういえば、ちょっと謎になってた事あったんだよね~。○○ちゃん」 だった。
「は?」 私は思わず聞き返した。さすがに家の外、しかも郵便局でやらかした事なんて何もないぞ。不審な顔をしていたら、その方はニコニコ笑いながらこう答えた。
「○○ちゃんの家に届けていた郵便物にね、たくさんあったでしょ。ホラ、『○○様方、「山・海係り」』って書かれた封筒が」
「!!!?」
「あの家の女の子は『相撲関係の何か』をやっているのかねぇ?……てね、話題になっててね~。ああ、もちろん、局内だけでね。プライバシーだから」
きょっ、局内で話題になってれば充分だっての~~~!!!!!それに、「相撲関係」って何だ~~~!!!!
どうやら、宛名に書かれていた「山」とか「海」とかいう単語が相撲に結びついていたらしいのだけれど、まあ、確かにね○○山とか○海とかたくさんいますよ。でもさぁ!!
真実はこう。私はその当時ゲーム系サークルの会長をやっていて、そのサークル名が「山の向こうには海がある」略して「山・海」だったのだ。サークルでは毎月1回会報を発行していて、会員の方から、会報に載せるゲームのイラストやら攻略法やら、マンガやら小説やらが、会長である私の住所に送られてきていた。会員数は10人前後。つまり一年以上ほぼ毎月、十通前後の厚い封筒が送られてきていたのだ。「山・海」という宛名で。
………不審だったのかしら。一般的には…
「山の向こうには海がある」っていうサークル名は、確かその時読んでいた小説?なのかエッセイなのかよく覚えていないけれど、とにかくその題名だった。「あの山の向こうには海があるんだ。必ずあるんだ。だからそこまでは行くんだ」とひたすら歩いて歩いて、結局最後まで海に辿りつかないまま終わったような気がするのだけれど……、とにかくソレがすごく頭に残ってつけた名前だったと思う。
………確かにサークル名としてはおかしかったかも。まあ十代だったから。ハハハ……。
それにしたって、郵便局のお茶の時間の話題に上がってたと思うと、……何だかなぁ……。