前回までの戯言。
狂犬に追われながらも、最上階の部屋へと逃げ込んだ私。そこに待ち構えていた女との困難な交渉が、始まろうとしている――…
というわけで!!1週間近くたってからのUPになってしまいましたが、前回のお話の続きでっすvまた色変えしてあるので、続きを読む方は範囲指定してどぞ~
さて、お昼に始まった友人との「コスプレ衣装を何にするか悩んでますの会」 は、気付けば夕方になっておりました。これはですね、『なんか音楽とかあった方がいいかなー』と友人がポチリとつけた「鬼平犯科帳」の録画ビデオに二人ともどっぷりとハマリまして、気が付けば数時間が経過していたという、うっかり。
「や~♪意外と見てないお話多いもんだね~v」
なんて感想述べてる場合じゃなかった私!!!音楽とかvって言ったけど、鬼平、音楽じゃないじゃんっ!!今更突っ込んでもしょうがないけど!!
「日が暮れた!!!どーしよーまだ何も決ってねぇ~!!」と騒ぐ私を尻目に、友人は茶(何度目かの出涸らし。新しく入れ直しなよ)を飲みながら、冷静沈着にパラパラと設定資料集をめくり、最後まで見てからまたあるページへ戻った。
『これでしょ』
と、ページを開いて、ドンと出す。
『アンタの性格から考えて、きっとコレをやりたかったはず』
友人が開いたページには、戦国無双2の「お市」が載っていました。
実は、そうなのだ。最初から私はこの子にしようと、密かに決めていたのだ。とはいえ、自分で言いだすのは恥ずかしいっ。でも誰かに薦められれば「え~v私これ似合うかな~v?」とか言いながら堂々とできるっ!そんな、あさましい計画があったのだ~!!!
見透かされた事はこの際置いといて、今がその絶好の機会!!あの台詞を言わねば~!!と思って息を吸い込んだ瞬間、
『やりたいものがあるんなら最初からそう言いなよねー。時間無駄にしたじゃん。私の半日どーしてくれんのよ』
と、言われてしまいました!!
や。あの、半日無駄にしたって言ってるけど、無駄にしたのは私じゃなくて鬼平よっ?!私が実際にキミに相談した時間なんて、30分くらいよ?!
ツッコむべき事は山のようにあったけれど、今私がするべき事は別の事だ!!
「…あ、あの、私、その、それ、似合うと思う?」
当初の計画とはだいぶイントネーションが違うけれど、同じ台詞を何とか口に出せた。
『…………』
無言かよっ!!
『……似合う似合わない考えてたらコスプレなんてできないんじゃない? こんな衣装、似合う人なんてアイドルくらいでしょ。やりたいか、やりなくないかでやるもんだと思うけど?』
せ、正論です。正論なんだけどっ。せめてもう一言っ。
『…まあ、着れば意外と似合うかもしれないね。もしかしたらだけど』
……ま、まわりくどい言い方だなぁ~……。まあヨシとしよう!!よぉし、市だ!!市で行くぞ~!!!!
一応友人に礼を言って、決意も新たに部屋のドアを開けると……
奴が、
タラ(犬・マルチーズ・性別不明・性格凶悪)が、
階段下で待ち構えていやがった~!!!!!
と、そこへ友人がのそりと顔を出した。
やった!!救いの手が!!タラを何とかして!! と振り向いた私に向かって友人が言った言葉は、
『そういえば、あんた家庭科1で留年しかけたよね。衣装どうやって作る気?』
……もう、どん底。